2017年2月25日土曜日

♯144「熱闘!ホイロスタジアムの旅」未公開の未公開。

西垣です。

「熱闘!ホイロスタジアムの旅」に入りきらなかった、ものを
「もっとヨーロッパ企画の暗い旅」
で公開しています。

その「もっと」でも公開されなかった「もっともっと」
幽遠な未公開をお届けします。

カイジの『限定じゃんけん』ならぬ『欣也じゃんけん』。
欣也じゃんけん…
石田と酒井はお互いの「手」が分からない。
京都の怪優・小林欣也さんの表情やジェスチャーを頼りに、
制限時間に何度でも変えることができるじゃんけん。
          
1回戦目は「欣也さんの表情」を頼りに行いました。

質問をすると、表情で返してくれる。
結局最後に「俺勝ってる?」と質問をした石田さんが表情を読み取り勝利。

さてここからが未公開。
時間はわずか数分のゲーム。
しかし、そこにはいくつもの葛藤、駆け引き、エゴ、欺瞞が
うずまく人間模様が。

2回戦目は「欣也にサイン」
石田さん、酒井さんがそれぞれ欣也さんにサインを仕込んでいいというもの。
※石田・酒井はお互いのサインは知らない。

ここからが欣也さんを悩ませる。
まず石田さんが支持したサインは、
手で顔を触り酒井さんの「手」を知らせてもらう。
「グー」

「チョキ」

「パー」

一方酒井さんが落とし込んだサインは、
足じゃんけんで相手に勝てる「手」を教えてもらうというもの。

ここで毒蝮・酒井さんはもう一つのサインを使った。
それは「最初から後ろを向け……」
背筋が寒くなった方も多いのではないだろうか。
欣也さんもこの表情。酒井さんは半分影で顔が隠れて、
悪代官のそれ。

つまり「石田にサインを見えなくする作戦。
    自分のサインは足なので、確認が出来る」
容赦のない策略・まさにマムシ武将。

この勝負あった…と、思いきや!
試合開始直後。欣也さんは思わぬ行動に出た。

体をねじり出したのだ。
そう石田には顔をむけてサインを伝えたい!酒井には後ろを向けと指示されている。
さらに足じゃんけん。
義の男・欣也が選んだ道は「全部する」ということであった。
なんという律儀な男であろうか!
その判断で両者どちらにも伝わらず、思わぬ泥試合になってしまった。あっぱれ!

そして迎えた3回目は最終戦。
テーマは買収。サイン仕込み+欣也さんをお金で買収出来る。
またお互いには聞こえないように、こっそりサインを伝える。

石田さんは300円。

酒井さんはなんと1500円!

圧倒的な金額の差により、石田さんをひねりつぶすのか。
しかも酒井さんのサインはさっきの足じゃんけんに加えて、
「石田さんにウソのサインを教えろ」と、欣也さんに伝えた。
サインの中に毒をもったのだ!あわやこれまで石田さんが丸呑みにされておしまいか。

無情にもカウントがなされる。
もう石田さんが虫の息である。ああ。

古藤「2…」

古藤「1…」

古藤「ゼロ!ああっ!」
なんと直前で石田さんが手札を変えたのだ!
いったい何が起こったのだろうか!?
石田さんは財力で圧倒的に不利!
しかも、欣也さんからはウソのサインも
飛んでくる。なぜそんな中なぜ勝てたのか。

少し時間を巻き戻すと、
あのとき、欣也さんに送ったサインは「何も教えなくていい」
んん!?どういうことだ。
「何も教えなくていい。サインなんかいらない」と伝えた。
勝負を放り出したのか!?それともたまたま勝ったのか!?

いや石田さんの策略はこうだ。
『制限時間ぎりぎりで別の手をだす』

①欣也から酒井にはきっと正確なサインが送られる。
②つまり酒井が勝ち続ける状態がキープされる。
③直前まで勝せておいて、最後に変える。

そう!石田さんは欣也さんを捨てたのだった。
なんという奇襲!
お金多くもらっている酒井さんの味方をしたかったけど、
どうにもならなかったと、反省会。

またどこかで欣也じゃんけんに会いたいです。
それでは放送をお楽しみに!

2017年2月17日金曜日

作家もこそっと書くブログ3 プチ企画と西垣D

上田です。次回の新作は、#144「熱闘!ホイロスタジアムの旅」です。ホイロというのはこちら。


ディレクター2人が入ってみてますが、何らかの懲罰や、怖い心理実験とか、黒歴史を彷彿とさせますね。ここで愉しい企画をやろう!というのが今回の旅です。

なぜこれをやることになったかというと、上田製菓(ヨーロッパハウスの一階、上田の実家の焼き菓子工場)にあるこの「ホイロ」が、近日中に撤去されるから、なんですね。私ごとですが、昨年に父がなくなりまして、上田製菓が廃業の運びとなったんです。で、せっかくなら撤去される前になにか旅をやろう、という。べつにこのホイロに思い入れがあるとかではないんですが、なにか旅が1本できそうだぞ、ということですね。

そこで「ホイロ」を使った、久しぶりの「プチ企画集」シリーズです。このシリーズ、たまーにありまして。「卓上企画の旅」(DVD1巻収録、ダイジェストはこちら)ですとか、「ギリシアの旅」など。1つの旅の中でプチ企画を5~10個ほど考えなくてはならない、こう言っちゃなんですが作家チームとしては手間のかかるシリーズです。

ここで頼りになるのが、プチ企画の申し子・西垣D。暗い旅ポータルの企画も、こんなのとかこんなのとか、だいたい西垣さんが出してくれてまして、プチ企画製造機さながらに、毎週毎週ボツも含め相当数のアイデアをひり出してくれます。なのでここでは西垣Dからの提出メモを例にとりつつ(勝手にごめんね)、今回の「ホイロを使ったプチ企画集」ができるまでを追いかけたいと思います。

とりあえず「ホイロで企画を考えてきましょう」という打ち合わせの1回目。西垣Dから出てきたメモはこんなの。


まずは「使い方系」。アイデアがほとばしってます。サウナにしたリ、バーにしたリ、猫カフェ、水槽…といった使い道。無茶なことも書かないと会議が踊りませんので。


次に「ゲーム系」。たしかにホイロは真ん中で2部屋に分かれているので、2人で入って対戦ゲームをしたくなる形なんですよね。「両壁を足で踏ん張る」とか面白そうです。「テレパス実験」というのも振るってます。「目隠ししてホイロまでたどり着く」というのもありますね。


その他、こんなアイデアも。ケバブパーティ! 楽しそう! いっそ「ホイロでケバブパーティをする旅」で決まりか、と思いましたが、元々上田製菓で使っていたものを、最後違うフードを作って終わり、というのも変かなと思ってこれはボツに。あと「ホイロでたむろ選手権」に丸がついていますが(気に入った)、これだけのためにたくさんの人を呼ぶのも忍びないな、ってことで、これもやらないことに。

そのほか、西垣さん以外のアイデアも検討して侃侃諤諤したのち、とりあえず方向性としては「ホイロを使った対戦企画でいこう」と絞られました。「石田VS酒井」で、対戦企画をいくつもやっていくイメージ。

で、ここで角田さんに、例の「旅くんイラスト」を発注すべく、タイトルを「熱闘! ホイロスタジアムの旅」と定めまして、角田さんに伝え、後日上がってきたイラストがこれ。


左右2部屋に分かれて戦う感じはとくに伝わってませんが、いつも角田さんのイラストが届くとわくわくします。いつかイラスト展やりたいぐらい。

で、さらに2回目の打ち合わせでは、とにかく「ホイロを使った対戦企画」を各人持ち寄ります。ここでも西垣さんがダントツの数(50個ぐらい!)、ネタだしをしてくれてました。僕はサボって1つだけ。

西垣さんのをいくつか見ていきますと。


のっけから飛ばしてます。西垣さんのいいところは、企画にちゃんといちいち名前を付けてくれるところ。


これなんてメルヘンチックな企画です。ボツでしたが。


前回のメモにあった「目隠ししてホイロまでたどり着く」に、「ホイロまでまいろう」という素敵な名前がつきました! が、そもそもホイロらしさが薄い企画だったのでボツに。


これはなぜか判定員が指定されてます。ディテールは大事です。

と、とにかく搾りかすまで出し尽くしたものを、紙に書きつけてまずは提出する。そこからすべては始まります。「会議にはとにかく紙を出そう」が合言葉です。で、ここからさらにアイデアを選んで磨いてルールを整えて、足りないとさらに考えて、テストプレイして…といろいろやって、ようやく1つの旅を構成するのにふさわしいプチ企画たちが出揃うんです。

プチ企画ってなんていうか、番組とか作家の基本単位のようなものだと思ってまして、日々のスパーリングのようなものでもあります。芸人さんでいう大喜利みたいなものでしょうか。そして、最近ではYoutuberの方々もすごくて、群雄割拠のプチ企画大航海時代のような様相を呈してきているなあ、と。そんな中で、劇団である僕らがやれるプチ企画はこれだろう、と思ってやっているのが「暗い旅ポータル」ですんで、そっちも注目してくださいませね。西垣Dが気を吐いてますんで。

と、プチ企画について大仰に語ってしまいましたが、やってることは、今回でいうとホイロでできる遊びを延々考えているだけなのでくだらないです。そうして今回は「これぞ」という6つのホイロ企画が生まれました。これを石田さん酒井さんが、愉しんだりけなしたり、不発だったり大花火だったりしながら、ホイロを鎮魂するのが「熱闘!ホイロスタジアムの旅」です。ホイロの魂よ安らかに、放送をお楽しみに。

2017年2月7日火曜日

作家もこそっと書くブログ2 AラインとBライン

上田です。西垣さんの記事にもある通り、次回は「ホイロ」で番組を1本やろうとしてます。今日は打ち合わせだったので、甲斐くんの追い上げを楽しみにしていたら、甲斐くんは「腹痛でお休み」でした。あとはホイロを使ったカイジみたいなデスゲームをやろうとして、しばらく考えて結局思いつかなかったり。「ホイジ」というタイトルまで思いついたのに。ホイロ企画、苦戦してます。作家チームの力が試される旅になりそうです。

そんな風に、暗い旅は、出演者が「まだ見ぬ面白さを探す旅」であると同時に、ディレクターや作家たちが未開の薮を漕ぎわける旅番組でもあります。次回ですと「ホイロ」になにか面白さが埋まってるんじゃないか、という。そしていまいち埋まってないときは苦戦するという。

前回放送になったのは「大歳倫弘の20のショックの旅」でした。今週末にも放送しますので、未見の方はぜひ。


これは僕ら暗い旅チームでなく、大歳さんが大変だった旅。ヨーロッパ企画イエティの作家であり、暗い旅では出演者の大歳さんが「ショックな情報を20個教えてくれる」という、丸投げも丸投げの旅です。すべては大歳さんの肩にかかっていて、大歳さんにとっては重いそりを引きずって旅に出る、ような。


このそりを大歳さんは見事、引きこなしてくれまして、僕らは暗い旅チームはそれに乗っていただけでした。職務怠慢のようですけど、こういう旅ってたまにあります。「クイズ!黒木」とか、「サカイアローン」とか。人の名前が冠された旅はそうですね。最近だと「居心地のいい喫茶店があるらしい旅」もそうです。あれは全編、永野さんがコーディネートした旅。


これが、企画を受けたときの大歳さん。「ボールを持ってくれた!」という瞬間です。打ち合わせの途中でもう、20個のショックを考えはじめた。

こうなってくれるとしめたもので、僕ら暗い旅チームは、しずしずと後方支援に回ります。大歳さんのセコンドについて、ショックを20個ひねりだす手伝いをする。そして秘かに、もう一つの「Bライン」に対して身構える。

さて「Bライン」とは何か。これを赤裸々に語りますと、たとえば暗い旅って、あるメインの企画が走っていたとして、でもそこからこぼれたハプニングの方が、むしろ面白かったりすることってあるんです。

例えば「不思議バインダー2の旅」なら、「不思議なエピソードを喋りあう」っていうのがAラインなんですが、いざ本番をやってみると、木下さんが変な言動をしたり、石田くんの話がちっとも不思議じゃなかったり。そういう「本筋から外れた面白さ」が、つまりBラインですね。

で、暗い旅はこの「Bライン」が大好物で。本筋と関係ないハプニングをこそ、編集ではたっぷり使おう、っていう謎の編集方針があります。まあ「旅」なので、旅って寄り道のほうが、かえって面白かったり印象深かったりするじゃないですか。

なので僕らは、Aラインを準備しながらも、同時に「Bラインを心待ちにして身構える」ようにして本番に臨みます。「大歳倫弘の20のショック」なら、大歳さんがアップアップするんじゃないか、とか。20個もショックを立て続けに紹介しているうちに、誰かが体に変調をきたすんじゃないか、とか。そういうのってやっぱり、旅の醍醐味なので。

でもここで奥深いなと思うのは、「Bは、狙って撮れるものじゃない」のですよね。初めからハプニングを起こそう起こそうとしても、それってなんだか白けてしまうばかりで。それよりは、Aラインを周到に準備して、演者もAラインを目いっぱい愉しんで、っていうことの果てに、Bラインが虹のように生まれる、なんかそんな感じなんですBラインっていうのは。


これは「大歳倫弘の20のショックの旅」で、Bラインが生まれた瞬間。どこが虹だって感じですね。まあけどこんなのは狙ってやれることじゃないです。旅の途中の悪ふざけですから。

編集ではいつも、Aラインはそこそこに、Bラインをこそたっぷり使う風潮が、先ほども書きましたがあります。けど今回の「大歳倫弘の20のショックの旅」に関しては、大歳さんのツアコンぶりがふるっていたので、割と脱線せずに、20のショックに沿って編集していきました。それでも20個は入りきりませんでしたが。大歳さんが薮の奥へといざなってくれます、ご堪能ください。

で、とはいえ上記のふざけあいも勿体なかったので、今回はそこを「もっと暗い旅」で観ていただけるようにしました。「もっと暗い旅」というのは、最近Youtubeで始めた、未放送部分を動画で公開してしまおうという試みです。


どうぞお愉しみください。ヘビーな旅の途中にふと生まれたBラインですが、大歳さんも笑っているので、この寄り道はみんなにとっていい思い出になったと思います。永野さんを除いては。

2017年2月5日日曜日

♯144にむけて。

西垣です。

次回の暗い旅は事務所にある『ホイロ』に関する旅になると思います!
パンを発酵させる装置?みたいなものです。
自動販売機4台分くらいの大きなものです。

過去に行われた「ギリシアの旅」や「ワンナイト100円フィーバーの旅」
のように企画をたくさんしていくのか、はたまた!
前回の会議で、
とりあえず「ホイロ」で出来ることを考えてこよう!と宿題となりました。

さっき『ホイロで包囲網』とか『ホイロでホイコーロ』とか、
どうかなと思いつきました。
駄洒落になってくると、考えが止まっている証拠です。

こういう時は、現場だ!と、

事務所のホイロの前にたつ!

夜のせいもあってか、むちゃくちゃ怖い感じになってしまいました。
ホラー系の企画もなんだか出来そうです。
・ゾンビ閉じ込めるとか。
・密室を作ってSAWみたいなのとか。
うーん、まだまだ…。

ちなみに作家見習いの甲斐くんもホイロ企画を考えてくるようだから、
負けてられないしな…。

さっき甲斐くんから来たLINE。

よし!ヤツはまだホイロにたどりついてないぞ!