2017年5月27日土曜日

作家もこそっと書くブログ5 ラップ×長回し×RPG設定

上田です。
今夜の放送は、新作「フリースタイルまじでダンジョンの旅」です。

タイトルありき感がすごいですし、実際そうですけど、
「ラップ系企画」の、新機軸でもあります。


今回、景色がよかったからか、妙にきれいな画が撮れました(笑)
なのでそこも、今回の見どころなんですが。

なにしろ見どころは、
「男肉du Soleilの団長が、フリースタイルで、
 23分間、長回しの旅をする」というところです。

男肉の公演のときは、こんなふうな団長ですが。

ラップをするときは、こうなりまして。

僕はこっちの団長が、とてもクールだと思っているのと、
あと、ここだけの話ですが、プロデューサーの押谷さんが、
「うーん、男肉の裸は、テレビでは…」と、
以前かるく難色を示されたこともあり、
(ダンスバトル企画をやろうとしたんです)
交渉の余地はないことなさそうですが、そこはそれ、
団長にはとりあえず、ラップ企画でよく登場してもらってるんです。

「はじめてのサイファーの旅」
「2回目のサイファーの旅」
「長回しフリースタイルの旅」
「長回しフリースタイル2の旅」
「大宮サイファーvs四条大宮サイファーの旅」
「大宮サイファーvs右京サイファー旅」

と、ラップの旅は、数え上げてみたらそれなりの回数やってまして。
毎回、団長に旅を率いてもらってます。

「はじめてのサイファー」をやったのが、約5年前。
そこから、「ラップ企画は面白いから、
僕らでどんどん掘り下げていこうよ!」などと気炎をあげたまま、
もたもたしているうちに、世間の方が掘り下げてしまい、
今や空前のラップブームで、暗い旅でやるのも恥ずかしいほどに。
角田さんなんて、ラップ好きなだけに、
ふんわりしたラップ企画に出るのを、露骨に嫌がる始末です。

とはいえ、このまませっかくの灯を消すのもナンだし、
僕らなりのラップの旅を見つけたいよなあ、という思いもあり。
さりとて、スキルには、石田・酒井を筆頭に、
まったく頼れるところがないですから。
あとは、持ち前のとんちで、変化球を投げるしかなく。

そうして行きついたのが、
今回の「フリースタイルまじでダンジョンの旅」です。
結局引っ張られてますけど。タイトルに関しては。
でも、こっちの「まじで」は、本家とはずいぶん装いが違ってまして。

まずは、「長回し」。
これは先述したとおり、過去に2回やっていて。

暗い旅は正味23分間ですが、
それを丸々、長回しで収録してしまおう、という暴挙です。

この方法は、ご想像のとおり、とても危険が危なくて。
なにしろ暗い旅の命綱である「編集」が効かないわけですから、
へたすると、旅が地獄めぐりになりかねません。
撮ってしまうと、あとはテロップを入れるぐらいしかないのでね。

なので、「長回し」をやるときは、
事前準備の周到さと、あとは、団長の反射神経にかかってきます。
正直、団長じゃないと、やれない旅だと思っています。

そうやってリスキーなぶん、
旅ちゅうずっと漂う緊張感は、異常値です。
お客さんまで、見ていてハラハラすると言ってくださるほどです。
ご心配かけてます。
そしてこの緊張感こそが、あまりテレビでは感じたことのない種類の
面白さかなあ、と、僭越ながら考えているんです。

(生放送より、ある意味シビアかもしれないです。
 カメラだって一台なわけで。
 そして放送では、そのしびれる感じをより強調するために、
 2回挟まるCMを前後にずらして、真ん中のパートを長くしてます)

そして今回はこれに、
「RPG風の設定」を、上乗せしてみました。

僕らがこれまた暗い旅でよくやっている、「演劇」っぽい要素ですね。
「ぽい」っていうか、そっちが本業なので、
「ぽい」じゃなくちゃんと向き合え、という話もありますけど。

なにしろ、ドキュメンタリーバラエティである「暗い旅」に、
演劇とかフィクションの風味をたす、っていう味付けを、
僕らはとても気に入っていて。
昔からね、「サカイアローンの旅」とか
「ファミリーサケピューターの旅」とか、
くそパロディの茶番を、いろいろ好んでやってますけど。

今回は、「長回しラップ」に、
この感じをふりかけてみました、という旅です。
「ダンジョン」という言葉を真に受けて、
ケルト世界観のRPG風の設えです。

さあ。
「ラップ」×「長回し」×「RPG設定」
 =「フリースタイルまじでダンジョンの旅」。
鬼が出るか蛇が出るか。
会心の一撃が出てるといいなあ。

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余談ですけど、見ていくと、
こういう、野をかき分けるシーンが出てくるんですが。


このシーン、なんでか分かりませんが
すごい劇的だなあ、と思ったので、お気に入りです。
「暗い旅」の魂を引き受けたようなシーンだからか。

2017年5月18日木曜日

作家もこそっと書くブログ4 ドキュメンタリー回

すみませんご無沙汰してました、作家の上田です。
久々にまた書きます。

#150は「授賞式で寸劇を披露する旅」でした。

なにを隠そう私・上田が、
去年のヨーロッパ企画の公演「来てけつかるべき新世界」で、
「岸田國士戯曲賞」という栄えある賞をいただきまして。
それの授賞式に暗い旅が潜入する、という旅でしたね。
そして余興の寸劇がうまくいくかどうかを追いかける、という。

たとえばこの旅とか。
あと「北聖町南を優勝にみちびく旅」や、
「ヨロフェッショナル 永野の流儀の旅」もそうなんですけど。

僕らの中では「ドキュメンタリー回」と呼んでいるシリーズです。

つまり、番組のためにイチから立てた企画、ではなく。
授賞式とか運動会とか公演とか、そういう
「たまたまあった、ヨーロッパ企画まわりの行事ごと」に、
番組が便乗して、旅をする、ような回。

これ、ラクしてるなー、と、思われるむきもあるかもしれません。
実際はですね、「ちょっとラク」です。
言ってしまうと。

たとえば「激闘!ホイロスタジアムの旅」みたいなのだと、
ゲームのルールからなにから、全部イチから考えないといけなく。
こーれは、旅を作るのが、けっこうタイヘンで。
それに比べると、「ドキュメンタリー回」は、
そもそも「ある行事」に、密着してロケをするわけなので、
その点ではラクです。

じゃあどこで頑張っているのか、というと。
「行事に、カメラがぐいぐい入っていく、度胸と、待ったなし感」
ですかねえ。

そうなんです。僕らですべてをコントロールできる旅とは違って、
「行事」は勝手に進んでいきますから。
それこそ、僕らの番組なんか関係なく、行事は行事で進行しますから。
そして、「行事」は生き物ですから。
予期しなかったハプニングとか、聞いてなかった流れとか。
リアルタイムでどんどん発生するのが、「行事」の恐ろしさ。

なので、暗い旅クルーは、
「行事中、どんなことがあろうと、動じぬぞ」
「あわよくば、そうしたハプニングさえも、番組に取り込まんや」
という気概を胸に、ロケに臨むんです。

今回の「授賞式で寸劇を披露する旅」でも、
旅の途中、いろんな予期せぬことが、起こりました。
MCの石田・酒井が、授賞式のムードに気圧されて、
番組そっちのけになったり。
思いがけない来賓がパーティに来ていて、
カメラを向けていいのかまずいのか、とか。

そういう待ったなしのジャッジを、ロケ中のべつしながら、
果敢にカメラを回して、なるべく面白い時間を多く切り取る、
っていうのが、
大げさに言うと「ドキュメンタリー回」の、醍醐味ですかねえ。

今回の収録の冒頭で、
「カメラに構ってられないかもしれない」(酒井)
「今日に限っては、番組は重要じゃないと思う」(石田)
などと腰の引けた発言をするMC2人に対して、

鍋島Dが毅然と言ってのけた
「でも僕のスタンスは、番組として成立させるためには、
 カメラは回し続けますんで」という一言は、
五里霧中のドキュメンタリー回に、一筋のフォグライトとなりました。
いいこと言ったなあ、鍋ちゃん。

長く書いたわりに、中身ありませんでした。
このブログ記事も、ドキュメンタリー性ありますね。

授賞式の余興の全貌は、「もっと暗い旅」でどうぞ。

2017年5月12日金曜日

お久しぶりです。ディレクター鍋島です。

あさって放送の暗い旅、

我が上田誠が受賞しました『岸田國士戯曲賞授賞式』の模様、そしてそこで公開されました『寸劇』の、稽古から本番までのドキュメントを放送いたします。



番組内ですっかり気づきませんでしたが、この放送は記念すべき第150回放送なのです。

みなさまのお陰で大変感謝しております。

(といっても鍋島が関わったのは#137から)



(…じつはもっと前から…?)




いつもと違う暗い旅をご期待ください。


放送はあさって5月13日(土)24時
30分から!KBS京都5ch!


私鍋島の体力があれば、Twitterで実況リプライいたします。

(…たまに寝てしまったりしてます。すみません。)


視聴率の出ない我が番組の、みなさまの関心度合いは、Twitterでのリプがたよりなところがあります。

書いていただいてるかた、本当にありがとうございます!


ぜひ、書いてないかたも、見ながら、もしくは見たあとに番組の感想、細かければ細かいほど身に染みますので、みなさまお待ちしております。(もちろん実況リプも大歓迎!)


151回放送以降も、暗い旅をなにとぞよろしくおねがいします!


(ちなみに151回放送はご覧のメンバーでお送りします)



鍋島