2017年5月18日木曜日

作家もこそっと書くブログ4 ドキュメンタリー回

すみませんご無沙汰してました、作家の上田です。
久々にまた書きます。

#150は「授賞式で寸劇を披露する旅」でした。

なにを隠そう私・上田が、
去年のヨーロッパ企画の公演「来てけつかるべき新世界」で、
「岸田國士戯曲賞」という栄えある賞をいただきまして。
それの授賞式に暗い旅が潜入する、という旅でしたね。
そして余興の寸劇がうまくいくかどうかを追いかける、という。

たとえばこの旅とか。
あと「北聖町南を優勝にみちびく旅」や、
「ヨロフェッショナル 永野の流儀の旅」もそうなんですけど。

僕らの中では「ドキュメンタリー回」と呼んでいるシリーズです。

つまり、番組のためにイチから立てた企画、ではなく。
授賞式とか運動会とか公演とか、そういう
「たまたまあった、ヨーロッパ企画まわりの行事ごと」に、
番組が便乗して、旅をする、ような回。

これ、ラクしてるなー、と、思われるむきもあるかもしれません。
実際はですね、「ちょっとラク」です。
言ってしまうと。

たとえば「激闘!ホイロスタジアムの旅」みたいなのだと、
ゲームのルールからなにから、全部イチから考えないといけなく。
こーれは、旅を作るのが、けっこうタイヘンで。
それに比べると、「ドキュメンタリー回」は、
そもそも「ある行事」に、密着してロケをするわけなので、
その点ではラクです。

じゃあどこで頑張っているのか、というと。
「行事に、カメラがぐいぐい入っていく、度胸と、待ったなし感」
ですかねえ。

そうなんです。僕らですべてをコントロールできる旅とは違って、
「行事」は勝手に進んでいきますから。
それこそ、僕らの番組なんか関係なく、行事は行事で進行しますから。
そして、「行事」は生き物ですから。
予期しなかったハプニングとか、聞いてなかった流れとか。
リアルタイムでどんどん発生するのが、「行事」の恐ろしさ。

なので、暗い旅クルーは、
「行事中、どんなことがあろうと、動じぬぞ」
「あわよくば、そうしたハプニングさえも、番組に取り込まんや」
という気概を胸に、ロケに臨むんです。

今回の「授賞式で寸劇を披露する旅」でも、
旅の途中、いろんな予期せぬことが、起こりました。
MCの石田・酒井が、授賞式のムードに気圧されて、
番組そっちのけになったり。
思いがけない来賓がパーティに来ていて、
カメラを向けていいのかまずいのか、とか。

そういう待ったなしのジャッジを、ロケ中のべつしながら、
果敢にカメラを回して、なるべく面白い時間を多く切り取る、
っていうのが、
大げさに言うと「ドキュメンタリー回」の、醍醐味ですかねえ。

今回の収録の冒頭で、
「カメラに構ってられないかもしれない」(酒井)
「今日に限っては、番組は重要じゃないと思う」(石田)
などと腰の引けた発言をするMC2人に対して、

鍋島Dが毅然と言ってのけた
「でも僕のスタンスは、番組として成立させるためには、
 カメラは回し続けますんで」という一言は、
五里霧中のドキュメンタリー回に、一筋のフォグライトとなりました。
いいこと言ったなあ、鍋ちゃん。

長く書いたわりに、中身ありませんでした。
このブログ記事も、ドキュメンタリー性ありますね。

授賞式の余興の全貌は、「もっと暗い旅」でどうぞ。

0 件のコメント:

コメントを投稿